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フェンダー・ストラトキャスターは現在ではロックギターの代名詞的なモデルとなっているが、ヘンドリックスが登場した頃には使用するミュージシャンもほとんどおらず、生産中止の噂もあった。しかし、ヘンドリックスが使用することによってストラトキャスターの人気が一気に上昇。特にストラトキャスターのシンクロナイズド・トレモロ・ユニットによる驚異的なサウンドマジック(アーミング)は、世界中のギタリストの度肝を抜いた。 ストラトキャスターの設計者であるフレディ・タバレスは「ベンチャーズやビーチ・ボーイズのようなサウンドは予想していたが、ヘンドリックスのトレモロマジックは全くの想定外」と発言している('80年代のフェンダー・ジャパンのカタログでの談話)。また、フェンダー社の創業者であるレオ・フェンダーが「あれ(トレモロ)はあんな風に使うものではない」と激怒したという逸話も残っている。

 

 

ヘンドリックスのギターサウンドというと歪みきった大音響がイメージされる場合が多いが、「Little Wing」などで知られるように、実際にはボリュームを絞ったクリーンなサウンドも多用している。ストラトのピックアップを使い分け、ボリュームやトーンを頻繁に調整し、演奏中に音色を大きく変化させることも多かった。エリック・クラプトンが使って有名になったハーフトーン(ストラトのピックアップ切り替えスイッチを中間位置にすることで生じるフェイズサウンド)も、実際はヘンドリックスのほうがずっと早くから使用している(ヘンドリックスが考案したのではなく昔からある裏技だったらしい)。

ボディやネックを叩いて弦を共鳴させフィードバックを起こしたり、トレモロユニットのスプリングを弾いて不思議な音を出したりと、ギターから発生するあらゆる音を演奏に利用していた。

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